会いたかった人

みなさん、きっと一回でいいから会ってみたい、お話してみたい人っていますよね。
芸能人だったり、スポーツ選手だったり、政治家だったりするかもしれません。
私にもそんな人は大勢いますが、その中のお一人で30年にわたってずーっとお会いしたい、
と願っていた方とついに先日初めて、本当に短い時間ではありましたがお話することができました。

その方とは「日本のインターネットの父」とも呼ばれている慶応義塾大学の村井先生です。
なぜ、私が村井先生にお会いしたかったか。それはかれこれ30年前に遡ります。

30年前、私は新卒でとあるソフトウェア会社に入社しました。
入社後しばらくしてから先輩に「メールアドレス、どんなのにする?」と聞かれました。

当然短い方がいいので「(名前の)"jun"がいいです」と即答しましたところ、その先輩がコンピュータに向かってごそごそした後に「だめだわ。村井先生が使ってる。」との一言。
当時、村井先生がどんな方なのかも知らなかったのですが、「じゃ、"xxxxxxxxx"でいいです」と苗字をそのままメールアドレスに使うことになりました。
"jun"だったら3文字で済むのに、苗字だと8文字にもなってしまいます。メールアドレスを書いたりタイプする度に毎回5文字も余計に入力しなくてはなりません。
この時から、いつかその村井先生という人に会ったら、この話をして憤りをぶつけてやろうと心に誓いました。

完全に余談になりますが、この時いただいたメールアドレスは"xxxxxxxx@foo.junet"という形式でした。今使っている様な"xxxxxxxx@foo.co.jp"形式になるのは、それから3~4年後のことです。

その後、時が経つにつれて村井先生という方がどれほどの方なのか、ということが分かってきました。もちろん私ごときが憤りをぶつけるなんてことができるような方ではない、ということもです。ただ、それでもいつか村井先生にこの話をしてみたい、という思いだけは変わることなく私の心の中に息づいておりました。

もちろん、これまでもセミナーや講演会等で村井先生を拝見する機会は幾度となくありましたがお話するところまで接近できることはありませんでした。
しかし、ついにそのチャンスがやってきました。

「札幌テクノパーク30周年記念フォーラム」というイベントが開催され、そこで村井先生が基調講演をされるという情報を入手しました。おまけにイベントの終了後には懇親会も予定されています。もう、有無を言わさず申し込みました。

そして、そのイベントの当日。セミナーも前から2番目の席に陣取り、講師のみなさんの面白くてためになるお話を満喫させていただきました。しかし、その日の私の最大のミッションは懇親会です。ずーっと、どうやって話を切り出そうかとか、そもそも私なんかがご挨拶ついでにそんなお話をさせていただいていいものかとかを考え続けていました。

そんな中始まった懇親会。常に村井先生を視界に収めつつ、人が途切れるタイミングが無いかと見計らっていましたが、当然のごとく周囲には常にたくさんの方がいらっしゃいます。

一瞬あきらめかけましたが、やはりここは30年来のチャンスを逃すわけにはいかない、と意を決して別の方がお話されていたにも関わらず一瞬の隙をついてご挨拶させていただきました。

今から思うと、かなり強引だったのですが快く名刺交換をしていただき、件の話をすることができました。聞かされる方にしてみれば、本当に大したことの無い話でさぞかし迷惑だったとは思いますが、私はもう有頂天です。

しかも、その件についてのこぼれ話(詳しいところまでは書けません^^)まで聞かせていただくことができ、本当に私にとって忘れられない一日となりました。

なお、イベントの紹介についてはこちら(https://no-maps.jp/event/technopark30th)に掲載されています。

村井先生はじめ講師の方々のお顔も見られますので、是非どうぞ。

ただし、いつまでページがあるかわかりませんのでお早めに。