弘前の光景

ASEにも出身地および大学が弘前であるという人が何名かいますが、私自身も直接の出身ではないものの、両親の実家が弘前ということで何度も足を運んでいるため、今回は弘前の風景を紹介したいと思います。

7月に入りこれから夏が本格的に始まりますが、東北夏祭りの一つとして弘前でも例年「ねぷた祭り」が開催されます。

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なお、青森市で開催されているのは 「ねぶた祭り」で、ppi(dpi)の関係で多くのPCのモニター上では少々判別しにくいかもしれませんが、弘前の方が半濁点(NE"PU"TA)、青森の方が濁点(NE"BU"TA)という違いがあります。

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また、通りを練り歩く「ねぷた」および「ねぶた」の形式にも両市では大きな違いがあり、弘前の「ねぷた」がほとんどが扇状の形をしているのに対し、青森の方は立体的な人形の形をしているものが主流です。(なお、主催によっては異なる場合もあります)

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青森と弘前の間は鉄道で30~40分程度なので、余裕があれば一泊して両方見比べるのもよいでしょう。

また、弘前と青森のほかに五所川原にも独自のねぷた祭りがあり、「立佞武多」と呼ばれます。こちらは弘前や青森とはまた異なる様式でかなり背の高い立ち武者をかたどったねぷたが街中を練り歩きます。 以下の写真は常設展示がある「立佞武多の館」で撮影したものです。

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短い秋を終えると他の東北地方の例にもれず、一面に雪が降り積もる季節となります。 1月には灯篭祭りが弘前場内で開催され、地元の有志の作成した雪像もいくつか城内で展示されます。

春や夏の祭りと違って人手の少ない静まり返った雪景色の城内を静かに散策するのもいいかもしれません。ただし木の枝などからの落雪には十分注意してください。

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市内を走る弘南鉄道では100年以上前に製造されたラッセル車とそれを牽引する電気機関車が現役で使用されており、時折線路を走る姿が見受けられます。

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なお、通常使用されている車両は以下の写真のように、かつて東京近郊で使われていた車両が使用されています。

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この弘南鉄道ですが、地方の鉄道の例にもれず赤字状態が続いており、以前廃止検討や支援要請などがニュースとなっていました。 高齢化問題や核家族化の進行で交通をマイカーに頼ることが厳しくなる昨今、国内でも欧米諸国のように鉄道の経営上下分離や利用者向けへの運賃補助などの施策がとられれば、と個人的には思っています。

ちなみにこの写真を撮影したのは今年の冬ですが、帰途は寝台特急「あけぼの」を利用しました。夜出発で朝には現地に着く夜行列車は目的地での時間が確保しやすいので2,3泊程度の旅行では便利なことも多かったのですが、残念ながら今年の春で定期運用を終了しています。

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最後に例年ゴールデンウィークの時期に見ごろを迎える弘前城の桜の写真をいくつか紹介します。 時期がおおむね連休と重なることもあり、全国から観光客が集まるために宿や駐車場などの手配はかなり早めに確保しておかないと厳しいと思われます。

弘前城の桜といえば、天守閣とお堀に架かる橋と桜を絡めた構図を思い浮かべる人も多いので、そのような写真を撮ろうとする方もいるかと思いますが、近年では桜の木が成長を続けた結果、一般には解放されていない撮影用に作られた高い櫓の上からでないと難しいようです。

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広い城内のいたるところに桜の木が植えられているため、全てを見るには1日では足りないでしょう。

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また、場内には屋台や舞台も出ており、日が暮れても夜桜見物に来る人でにぎわいます。

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なお、江戸時代当時の天守閣が残ることで知られている弘前城ですが天守台石垣修復工事のため、今年2014年から天守閣の曳屋による移動を含めた大規模な改修が始まるため、今後約10年にわたり今のような姿は見られなくなってしまいます。 今年秋には内堀に仮設基礎などが設置されるため、天守閣を見ておきたいのであれば今年の夏が当面最後のチャンスなので、最初に紹介したねぷた祭りの見物がてら城址の方にも足を運んでみてはいかがでしょうか?