盆栽のある生活 (第七回) 小忙しい春

暖かい地方では、季節は既に初夏に入っていますが、北海道はやっと桜が咲いて、
いつもより遅い春がやってきました。

春は盆栽好きにとって一番忙しい季節です。

 

まず最初に「ムロ出し」を行います。

私は、冬の間、盆栽を発泡スチロールの箱に入れて、雪の中に埋めておきます。
これを取り出す作業が「ムロ出し」です。
これは早すぎると寒さで木を痛めますし、遅すぎても蒸れで木を痛めてしまうので、
毎年どのタイミングで行うかとても悩みます。

そして、いざ箱を開けてみると、寒さや水不足で木が枯れていることもあります。
去年の秋に、寒さに弱そうなツゲの極小の盆栽を購入しました。
・・・あまりのカワイサに、後先考えずに買ってしまったのです・・・

ツゲが冬を越せるかどうか心配だったのですが、無事に冬を乗り越えてくれました。

 

次に、木の今年一年を左右する「植え替え」の作業があります。
植え替えとは、簡単に言うと、古い土や根を取り除いて、土を入れ替える作業です。
植え替えを行うことで、盆栽はリフレッシュされ、元気を取り戻します。

植え替えは盆栽の技術の要(かなめ)とも言えるもので、とても大事なのです。

それから、枝の形を整えるための針金掛けの作業もこの時期に行います。
針金掛けは、新芽を傷めないように、一枝一枝行う根気のいる作業です。

 

それからそれから、春は盆栽の展示会の季節です。
私も、所属するグループの展示会に出品します。
今年の展示会は、天候に恵まれ、多くのお客さんに見ていただくことができました。

 

こんな風に、盆栽好きの春は小忙しく過ぎていきます。

 

写真は、持っている盆栽の中でも、小さいものを並べてみたものです。
どれも手のひらに乗るものばかりで、特に前列中央のイボタの盆栽は、人差し指に乗るほどの小ささです。
前列左は、冬越しに成功したツゲです。

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SHIN