自然科学系エンジニアが登る伊豆大島の三原山

日帰りで伊豆大島の三原山まで行ってきました。
私は東京支店の配属なので、普段東京で過ごしているのですが、
ときどき物凄く自然を満喫したくなる時があります。
郊外の観光地でもいいのですが、どうせなら南の島ということで伊豆大島の三原山です。

伊豆大島までは、竹芝から高速ジェット船が出ており片道100分程度。
ジェット船では、途中で「大型海洋生物が多く生息する海域のため、減速して航行します」といった
ニュアンスのアナウンスが流れますが、大型海洋生物という表現が何とも趣があってよいなと感じました。

伊豆大島に着くと、三原山まではバスで行くことが出来ます。バスの中では伊豆大島の観光案内が流れていて、
伊豆大島の特徴や見どころを解説してくれます。

そして、三原山山頂口のバス停で降りると、ここからは本当の大自然の世界になります。広大なカルデラと三原山。

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三原山山頂口から山頂までのルートは、歩道がアスファルトで整備されていて幅も広く歩きやすいです。
道中には溶岩流のあとが残っており、特徴的な地形の場所には学術的な解説の標識もあります。
私は大学時代に地球惑星科学を専攻していたのですが、
解説の標識は読んでいて懐かしい知識を呼び起こすものが多かったです。
アア溶岩、パホイホイ溶岩などの独特な響きの用語が多いことが、個人的に興味を引く分野でした。
地形をグリッド化して溶岩の流れをシミュ レートする数値計算手法を学んだな、
などと色々な記憶が連鎖的によみがえったものです。
自然科学出身だとIT業界で働けるのかと考えたりしますが、
ソフトウェア開発やシステム運用での問題発生時の切り分けは数学的な推論能力が有効ですし、
データモデリングは正規化理論,関数従属性の理解に数学的なセンスが必要、
最近流行りのビッグデータは統計学の知識が有効と、
実は自然科学出身のエンジニアはIT業界でも力を発揮できる領域が多く存在します。

話が脱線しましたが、大学時代に学んだ知識を呼び戻しつつ、いよいよ火口を取り囲む環状の登山道へ。
快晴の天気の中、火口とカルデラ、外輪山、その奥には海と、火山島ならではの風景が素晴らしいですね。

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火山は時に甚大な被害をもたらしますが、落ち着いているときは素晴らしい景色を見せてくれます。
火口を一周する遊歩道は、地球の力強さを感じる最高 の場所でした。吹きさらしなので風が強くて、
足場も軽石ばかりなので柵があるとはいえ注意して歩く必要がありますが、とにかくひたすら絶景が続きます。
遊歩道の南の方からは利島も眺めることができます。

やがては帰らなければならないのですが、外輪山方向へ大島温泉に向かうルートを歩いていると
徐々に植物の緑が増えてきて、ここでは自然の力強さが感じられます。
途中の標識でも徐々に回復していく自然について解説があるのですが、
歩くに従って見られる植物たちの進出にここが歩んできた歴史といいますかストーリーを感じられました。

最後は、ルートの終着地である大島温泉ホテルに入って入浴料を支払い、
露天風呂で三原山を眺めつつ疲れを癒しました。しかし、本当にスケールが凄い。
今までの人生の中で最高にスケールの大きい露天風呂でした。私はエンジニアという職種上、
目も酷使することが多いので、このような露天風呂に毎日通いたいと思いつつも
その思いをかなえられないのが少し残念です。

K.A.