ブログのネタを探していたところ,
以前キーボードを改造した時の写真が発掘されたのでご紹介します.
改造といっても,ハンダでできる範囲の簡単なものです.
PCのキーボードの中でもメカニカル・キーボードと呼ばれるタイプがあります.
これは一つ一つのキーにスイッチ機構が内蔵されているのですが,
使用されるスイッチの違い(軸の色で区別します)によってキータッチの荷重や
押したときの感触(クリック音・タクタイル感)の有無がすべて異なるため,
自分好みの軸色を選択して様々な打鍵感を楽しめるというわけです.
たとえば軽やかなタッチで打鍵音を高らかに響かせたい場合は「青軸」
音量は抑えながらも指先に適度な感触が欲しければ「茶軸」
シッカリとした押し応えを味わったり,半押し状態からの強力な
反発力を利用した高速タイピング用途には「黒軸」を選ぶといった具合です.
私の場合は,少し軽めのリニア感と微かなバネの残響を感じられるような
省スペース型のテンキーレスキーボードが欲しかったのですが,
条件に合う「黄軸」はすでに生産終了で中古で探すしかなく,
さらにテンキーレスとなると入手は絶望的です.
そこで「(新品の)テンキーレスに(中古の)黄軸スイッチを移植してみよう」プロジェクト
名付けて TKIプロジェクト の立ち上げと相成りました.
1. まずは目当ての軸が使われている中古キーボードをGETします.(希少な軸だと最大の難関かもしれません)
キートップを外すと黄色い軸が並んでいるのが分かります.
2. カバーを外して裏返すと各スイッチの端子が基盤にハンダ付けされているので,これを外していきます.
今回は 119キー x 2点止めのため,たったの 238箇所を外すだけなので楽勝ですね.
3. 軸を外した後の抜け殻(左)と回収した黄軸(右).
並べた黄軸の左に写っている もじゃもじゃ は吸い取り線で除去したハンダの残骸です.
4. 移植先となるキーボードですが,移植する軸と互換性のある軸のものを選びます.
今回選んだものは元は白い軸が付いていましたが,先ほどの要領で外します.
5. 外した部分に黄軸を載せ替えてハンダで固定します.こちらは87キー仕様のため,
ハンダ付けもたったの 174箇所で済むので楽勝ですね.
6. キートップを元に戻して,黄軸テンキーレスキーボードの完成です!
今回はすべてのキーを黄軸で統一しましたが,打鍵スタイルによってはキーの位置に応じて
軸の種類を変えてみるなど,好みの変荷重仕様にカスタマイズしてみるのも面白いと思います.
皆様も,ぜひ秋の夜長に TKIプロジェクト を立ち上げてみてはいかがでしょうか.
キーボード担当 I