盆栽のある生活 (第二回) 素材から作る

私の自宅の庭には、盆栽の素材を並べてある一角があります。 
素材とは、盆栽に仕立てる前の未整形の木のことです。 
普段は水をやるくらいであまり気にかけていないのですが、先日、エゴの木の花が咲いているのを見つけました。 
今回は、これを盆栽に仕立てる過程をご覧に入れます。
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 これは挿し木から作ったのですが、長い間放置していたので、枝が左右に伸びてかなりだらしない感じになっています。
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 サイズを小さくするため、また、樹形にメリハリを付けるために、右側の枝をこの二股の部分でバッサリ切ることにします。 
切った枝も挿し木にして有効活用します。

次にプラスティックのポッドをはずします。
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 このように根が鉢に添った形で固まっている様子を「根鉢」と言います。 
一般の園芸では、根鉢は崩さないのが基本のようですが、盆栽ではこれを崩すのが基本です。 
根鉢を崩すとどうしても根が傷みますが、古い根や土を取り除いて、根を活性化することができます。 
また、根の嵩(かさ)が減るので、コンパクトな盆栽に仕立てることができます。

根鉢を竹串などで丹念にほぐし、更に余分な根を切り、水洗いして古い根や土を洗い流します。 
この時、太い根は切っても大丈夫なのですが、ヒゲ根はできるだけ切らないようにします。
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 このようにかなりコンパクトになりました。

次に鉢合わせを行います。 
樹形や幹の太さ、花の色などに合わせて鉢を選んでいきます。
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 この鉢はお気に入りですが、細い幹とは不釣合いのようです。

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 このビビッドな色の鉢は形も色も合っていると思うのですが、根が入りきらないようです。 
幹の太さと鉢のサイズの見た目のバランスは、この鉢が一番いいと思います。 
ちなみに、根を切ってこのサイズの鉢に入れることも余裕で可能ですが、その代わり水の管理がシビアになってしまいます。
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 今回はこの水色の鉢に入れることにしました。

鉢に木を入れる準備をします。

まず、鉢底網を底に入れて、針金で固定します。 
これは、土が流れ出さないための処置です。

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木を固定するための針金を鉢底網に通し、土を入れます。これは赤玉土と言われる土で、盆栽では一般的なものです。

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木を鉢に入れ、針金で幹を軽く締めて固定します。

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赤玉土を入れて竹串で丹念に詰めていきます。

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針金を掛けて形を整えたら、出来上がりです。

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白くて小さな花が可憐です。ちなみにエゴの木のエゴはエゴイズムとは関係ないようです。

さて、出来上がりと言っても、これで完成したわけではありません。 
まだまだ、幹も細く風格もないので、盆栽としてはヨチヨチ歩きの子どもというところでしょうか。 
これから何年もかけて成長していくのです。

 

SHIN

 

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