ラジオ好き

仕事でも私生活でもPCを使い続けてはやXX年、バリバリのデジタル人生を送っている中年男性にも少年の頃はあったわけで、そのころに流行っていたアナログな趣味がなぜか今になって再燃中ですのでその話を。

子供の頃、あるラジオを持っていました。記憶を頼りに画像検索したら、松下電器のワールドボーイRF-828という型番だったようです。 
我が家の他のラジオはAMだけとかAMとFMだけでしたが、このラジオは12MHzまでとはいえ短波も聞けたのでお気に入りでした。 
ラジオたんぱ(今はラジオNIKKEIですが)やJJYといった国内からの放送だけではなく、びょ~~んびぎゃ~~んといったノイズに紛れて海外からの放送も聞こえたりしました。

このラジオ、短波はそれほど性能がよくなかったのと、全く外国語は理解できなかったので次第に興味は、中波で聞ける外国からの日本語放送に移っていきました。その中でもモスクワ放送は(北海道だから?)比較的良好に受信できました。

今でこそインターネットで世界中のサイトにリアルタイムでアクセスできますが、昔は海外ってすんごく遠いところで、海外旅行はごく一部のお金持ちしか体験できないことで、外国って自分とは全く縁のないものと思っていました。 
しかし、その外国からの電波が目の前の機械にたどり着いて音を鳴らしているという事実にわくわくした経験があります。

そして21世紀、機材は変わりましたがやっていることはあまり変わりません。 
現在持っているラジオは、松下のクーガRF-2200です。
 2012_radio_01

30年くらい前のラジオですので、このころはまだデジタルの周波数表示はありません。 
まずクリスタルマーカスイッチを入れ、「ぴゆぅ~~」と鳴るマーカの音を頼りにチューニングダイアルを微妙な力加減で回して目盛りを合わせ、その後ノイズの奥に埋もれがちの放送を耳をそばだてて探しだし、ゲインやトーンダイアルを調節して少しでも聞きやすくするといった手間が必要ですが、またそれがラジオを操作しているという感覚が味わえるのがいい感じです。

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昔に比べて日本語放送はだいぶ減ってしまいましたが、今でも多くの国からの放送が受信できます。周波数は昔と違って放送局のサイトにアクセスすれば簡単に確認できます。

実はあちこちの放送局で放送している内容と全く同じ内容をインターネットのストリーミングでも送信していますので、無理にラジオで受信しなくてもインターネットで事足りてしまうのですが、そこはそこ、遠くの国から直接送られてくる電波をキャッチして、ノイズ混じりの音声にその国との距離を実感するところにBCLの醍醐味があります。

海外だけではなく、国内の遠くの局も同様に受信が困難ですが、地方のラジオCMが聞こえたりするとまるでその地方にワープしたかのような不思議な感覚が得られます。 
少しでも聞きやすくなるように、見よう見まねでループアンテナを作ってみました。それがこれ。
 2012_radio_03

 

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木の枠にビニール線をぐるぐる巻きにして、両端をバリコンでつないでいます。 
バリコンは100均のAMラジオのものをそのまま使っています。このラジオ自体には電池が入っていません。 
多少電波の弱い局でも、このアンテナを近くにおいて100均ラジオ側のダイヤルを回すとあら不思議、電波が増幅されて聞き取りやすくなります。まあ、ノイズも増幅されますが。

ラジオは昨今の時代の流れに埋もれて多少地味なメディアですが、たまには気ままにチューニングダイヤルを回して耳を澄ませてみてはいかがでしょうか。きっと新しい発見があるはずですよ。

by S.A.