北の『鉄』浪漫(1)~街中の廃線跡・中篇~

続きましては札幌から旧千歳線をご紹介します。


今の千歳線は、論理的には白石駅から、物理的には平和駅から函館本線と別れ、新札幌や千歳方面に向かっております。 
この形になったのは1973年9月からで、それ以前には異なるルートを通っておりました。

さて、最初に訪問したのは苗穂駅。千歳線は白石からじゃないの?何故に苗穂?と言いますと、この苗穂駅に千歳線の起点を表す通称『ゼロキロポスト』が鎮座ましましておりますからです。

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 そう、千歳線の起点は苗穂で、今現在は苗穂と白石の間が函館本線と千歳線の二重戸籍路線となっております。

 

これが1973年9月以前ですと、千歳線は苗穂の先、豊平川を渡ったところで函館本線と別れて上野幌~北広島方面に向かっていましたので、苗穂が千歳線の起点でございました。線路の付け替えが行われても起点はそのまま据え置かれ、今の形となっております。ということで先ずはご挨拶。

線路は苗穂駅を出てしばらくすると豊平川を渡ります、その先で千歳線は右に分岐しておりました。(右の画で、ちょっと見づらくてごめんなさいですが、左の線路と右の道路の間にある築堤がターゲットです。)

 

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途中で一旦は跡が追えなくないますが、平和通り近辺までは雰囲気の残る築堤のスペースが残っておりまして・・・

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 茂みの中を見てみると、ほらほら、古いレールが残っていましたよ。

 

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 こういうのを見つけると「やったね!!」と愉しくなります。(何が「やったね!!」なのかは突っ込まないでくださいませ。)

 


ところでこの旧千歳線、最初は苗穂の方から分かれる線だけでしたが、その後、貨物用に白石の方からも合流できるような形、三角形を成すような形になりました。列車に乗っていると、こちらの方がよりはっきりと分かります。

白石駅から苗穂(札幌)方面に少々行きますと米里行啓通が函館本線を跨ぎますが、その上から苗穂方面を見ますとなだらかに左に分かれる道路がありますが、このカーブがその貨物線に当たりまして、

 

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途中には枕木再利用と思われるそれっぽい柵も残っております。

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 こんなささやからものでも嬉しくなるのが廃線跡探訪でございます。

 

で、この旧千歳線、途中から白石サイクリングリード→エルフィンロードとして北広島までらんらんサイックリングが楽しめるよう綺麗に整備されております。

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 北広島にはレンタサイクルもございますので、一度、如何でしょうか?

 

 


さて、小樽→札幌と来まして、次は江別から旧北電江別発電所引込線"四季のみち"を。

江別駅の近くには、石狩川河畔にあります、今は北海道電力総合研究所、昔の江別発電所に石炭を輸送する為の引込線が引かれていました。1991年3月に発電所としては閉鎖されて廃線となりましたが、線路跡は"四季のみち"として整備され、使われていた車輌の一部も展示保存されています。


では、江別駅と高砂駅の間にある人道橋の付近から、高砂方面から江別方面を見ると左の方に微妙なカーブが延びているのがわかります。

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 この怪しげなカーブも、分岐してからすぐに住宅地で跡がよく分からなくなりますが・・・

 

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 ご安心ください。間もなく公園の入り口が登場します。

 

 

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公園にはモニュメント的なモノもあり、こちらも綺麗に整備されています。また火力発電の仕組みなどの説明もあって勉強になります。

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『鉄』的にも機関車の展示や、

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北海道電力に引き継がれる前の会社名「大日本電力」時代のものと思われる遺構もあったりと、こっそり堪能できます。

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民鉄の、しかも貨物専用線の廃線跡と言うのはあまり注目されず、書籍雑誌でも取り上げられることは多くないのですが、このように綺麗に維持されている姿を見ると、これもまた嬉しくなってしまいます。


続いて江別からもう一ネタ。夕張鉄道の廃線跡をご紹介。

野幌駅は現在高架工事の真っ最中です。

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この工事のおかげで野幌駅にあった夕張鉄道の跡は、文字通り跡形も無くなってしまいました。ということで工事前の様子であるこちらを。

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屋根の掛かっているホームと道路の間の微妙な空間、こちらに昔は夕張鉄道が発着しておりました。

夕張鉄道が野幌に登場したのは1930年11月でしたが、1974年4月には旅客輸送廃止、1975年3月には貨物輸送も含め全線廃止となりました。 
夕張鉄道は野幌から高砂方面にちょっと行った、今はパチンコ屋さんの辺りから大きく右(南)に分岐しておりました。その跡が今は道路となっており、大型ショッピングセンターの脇を通っております。

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これまでの廃線跡と違い、道路として日夜活躍しているため公園のようにはなっておりませんが、路の脇には

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とか

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のような往時を偲ぶものが点在しております。(石に刻まれているマーク、夕鉄バスにも掲げられている夕張鉄道のマークです。)

そして最後にもうひとネタ。いざ「後篇」へ。

 

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