ロードバイクで行く10月の国道299号

はじめに

私が大好きな国道の一つに、 国道299号 があります。国道299号とは、埼玉県入間市から、長野県茅野市までの山岳地帯を結ぶ国道です。山並豊かな山岳と集落を抜けるその道は、とても清々しく季節に応じて様々な味わいを感じさせてくれます。

山伏峠(標高561m 埼玉県飯能市〜秩父市)、志賀坂峠(標高780m 埼玉県小鹿野町〜群馬県神流街)、十石峠(標高1351m 群馬県上野村〜長野県佐久穂町)、麦草峠(標高2127m 長野県佐久穂町〜茅野市)が行程に含まれており、全体的に起伏に富んでいます。山岳走を満喫でき、走っていて飽きません。

これまでに車やオートバイでは何度も走っている道なのですが、自分にとっての思い入れと、その起伏の激しさという点から、自転車でも走ってみたいと思っていました。今回はそんな国道299号を走った記録を残しておきます。

おおまかな経路 (ルートを描けなかった一部区間を除く) 
http://yahoo.jp/g1MWIn 
(※閲覧するためにはMicrosoft Silverright が必要です)

出発 東京都福生市 (標高131m, 累積距離0km) 04:30

外に出ると雨の匂い。天気は曇り、所により小雨。半袖だと走り出して体が温まるまでは若干涼しく感じる気温。しばらく走れば、雨は上がって晴れるようだ。

正丸トンネル (標高414m, 累積距離45km 埼玉県秩父市) 06:30

  rb299_1-thumb-120x180-429rb299_2-thumb-120x180-432.jpg
しばらく走り、秩父の 正丸トンネル へ到着した。
全長4811m、片側一車線、側道無し。帰路で通過する 新笹子トンネルと同様に、自転車乗りにとっては通過の危険性から悪名高いトンネル。
側溝の上を自転車を押して歩き、車の来ていないタイミングでは路上を走りながら通過した。側溝の上には足跡や自転車のタイヤ跡があり、同じようにして通過している方がいることがうかがえた。

 

志賀坂峠(標高780m, 累積距離90km 埼玉県小鹿野町〜群馬県神流町) 10:00

  rb299_5-thumb-120x180-426rb299_3-thumb-130x86-459
秩父を過ぎたあたりからは山並みもより一層深くなってくる。 志賀坂峠 を登り切ると志賀坂トンネルがあり、ここからは下りだ。

今回の工程とは関係ないが、トンネル手前には中津川林道への分岐があり、この道をしばらく行くと ニッチツ鉱山 の一帯がある。かつては鉱山の町として栄えたであろう趣が残っていて、昔ながらの家屋や建物、あるいはその廃墟が残っている。ただし、昔は未舗装だった林道も舗装が進んでいるので、鉱山周辺の様子も、ことによると変わっているのかもしれない。

 

299通行止め(標高499m, 累積距離105km 群馬県上野村付近)

rb299_6-thumb-120x180-435ここから 十石峠 に向かうのだが、通行止めの標識で足止めとなった。この区間は常に、崩落、放置、工事、崩落を繰り返しており、通過できたことがあまりない。

この通行止め区間を迂回する経路は、 ぶどう峠 と矢弓沢林道の2ルートが考えられる。十石峠頂上が私の好きな場所であるため、その手前に抜ける矢弓沢林道を今回は選択した。

 

 

矢弓沢林道(標高600m, 累積距離107km) 11:50

 

 rb299_7-thumb-120x180-438rb299_8-thumb-120x80-444
ここが今回の行程で最もきつい区間となった。斜度がひたすら非常に厳しい。ところどころフロントの荷重が抜けすぎてバランスを崩しそうになるほど。原動機付の乗り物ではなんとなく通過している道でも、自分の力で登るとこうも印象が違うものかと改めて思い知らされる。

後に調べたところ、自転車乗りの間ではそこそこ知られている林道のようだ。国道299号で十石峠頂上へ向かうよりも5km程短い(すなわち斜度がきつい)。時速5〜6km/hで、くたくたになりながらもなんとか登りきる。
 

 

十石峠頂上 (標高1345m, 累積距離121km) 13:50

  rb299_9-thumb-120x180-441rb299_10-thumb-130x86-462矢弓沢林道を抜けると、十石峠頂上は目と鼻の先だ。頂上には小さな駐車場と展望台があり、休憩するには丁度よい雰囲気の場所である。

山深く標高は高く、聞こえるのは風の音や木枝の擦れる音、鳥の鳴き声ばかり。天気もよくて気持ちが良い。

しばらく休憩した後、走行を再開した。ここからはしばらく下りが続き、下りきってしまえば麦草峠の足元にまでたどり着く。


 

 

麦草峠はじまり(標高800m, 累積距離145km) 16:00

 rb299_12-thumb-120x180-450rb299_11-thumb-120x180-447

夕方になってしまったが、いよいよ 麦草峠 を登り始める。上りはじめの標識には標高800mの文字。ここから標高2127mまで、およそ23kmほどの登りだ。
 

 

 

麦草峠最高地点 (標高2127m, 累積距離170km) 19:00

rb299_13-thumb-120x180-453麦草峠に至るまでに結構体力を消耗してしまっていたため、あまり長く登り続けるのが厳しく、25分〜30分毎に細かく休憩を入れながら3時間程かけて最高地点へ。

あたりはすっかり日が暮れてしまい、ひんやりした空気が肌をつつむ。10月とはいえ、標高が高いのでさすがに寒い。一日かけて自分の足でここまで来た。自分だけの達成感をしばし味わう。

運動量が無く体の冷える下りは、Tシャツの上からウィンドブレーカーを着足して、茅野市までの長い下りを下り始める。
 

 

長野県茅野市 (標高785m, 累積距離200km) 20:20

今晩の宿へ無事到着した。低い気温と長い下りで身体がすっかり冷え切っていたので、早速風呂へ入って暖をとり、ベッドに倒れこんだ。

走行距離:200km程度 
所要時間:16時間程度 
補給:ランチパック、おにぎり×2、からあげ、一本満足バー×2、SOYJOY、いのぶた定食、 ウィダーインエネルギー×2、一口羊羹、あんぱん 
ドリンク:ポカリ500ml×2、水500ml×1、お茶500ml×1、缶コーヒー180ml×3、炭酸飲料350ml×1 
総摂取カロリー:3900kcal程度 
消費カロリー:5500kcal程度 
(サイクルコンピュータ不調につき諸々詳細データ無し)

帰路(割愛)

rb299_14-thumb-120x80-456
茅野~国道20号~相模湖~厚木~横浜市某区

走行距離:180km程度 
所要時間:12.5時間程度 
※登り基調の往路に比べて復路は下り基調なため、所要時間が短い。 
(サイクルコンピュータ不調につき詳細データ無し)

まとめ

今回はこれぞ山岳走ともいうべき、国道299号を走りました。想定してはいましたが、やはり距離以上に走りがいのあるルートでした。早朝からハードな行程を一日走り続けたため、頭の先からつま先まで、体の芯まで体力を使い切った感じです。

今回の行程は車やオートバイで走ってももちろん楽しいので、走ったことがなく興味があるという方は是非ドライブにでも行ってみてくださいね。

S.K

 

関連するエントリー